2020.09.30
ヘアカラーによる肌トラブルについて
定期的な白髪染めをしているお客様へ。
- 白髪染めでの肌トラブル
- 肌トラブルの症状
- アレルギー反応が出たときの白髪染め方法
今はまだ肌トラブルを起こしていないお客様にも是非とも知っておいてほしいことがあります。
白髪染めでの肌トラブルとは?
ご存知かもしれませんが、髪を染めるヘアカラー剤によるリスクはゼロではありません。
肌トラブルが起こる可能性は誰にでもあります。
1番恐いのが『アレルギー』です。
アレルギーが出てしまうと、そのヘアカラー剤での白髪染めは一切できなくなります。
白髪を染める染料も数種類ありますが、絶対に肌トラブルを起こさないといえるカラー剤(染料)はありません。
そして「いつ?だれに?」というのもわかりません。
確率的には低いといえますが、髪を染めることで起こりうるトラブルと原因を知っておくことも必要です。
白髪染めで1番恐いアレルギーとは?
h.SHIPでも使っている酸化染毛剤という一般的なヘアカラー剤には、
- 髪の色素を分解したり染料を浸透させる「アルカリ剤」
- 髪に色を着ける化学染料の「ジアミン」
『アルカリ・ジアミン』という2つが含まれています。
そして、アレルギーを起こす可能性があるのが化学染料のジアミンです。
このジアミンに対して起こるアレルギーを「ジアミンアレルギー」と呼び、2度といつもの白髪染めは出来なくなります。
我慢すれば何とか染めることができるということはありません。
ジアミンアレルギーとは?
どんな方に起こるのか?起こりづらい人はいるのか?などもわかりません。
しかしアレルギーなのでジアミンに接触する回数が多ければ多いほど、アレルギーを発症しやすいとも言われています。
とはいえ、僕ら美容師は毎日何度もヘアカラー剤に接触していて、お客様と比較してもかなりの頻度でジアミンに触れていますが僕の周りの美容師では1人もいません。
それくらい少ないとは感じています。
ジアミンアレルギーの症状は?
症状の出方は個人差がありますが、ヘアカラーをした当日〜2日以内の間に下記症状が出ます。
- 頭部に激しい痒み、痛み
- お顔や首回りなどに腫れや湿疹などの症状
- 水疱やかぶれ
1〜2ヶ月で治る場合もあれば、半年以上掛かるといった場合もあります。
症状の出るタイミングは個人差ありますが、はじめは帰宅後に出る方が多いです。
※万が一、白髪染め後にこのような症状が出た時はすぐに当店にご連絡ください。そして、すぐに皮膚科を受診してください。
ジアミンアレルギーが出てしまった場合の白髪染め
ジアミンを含む化学染料での白髪染めは2度と出来ませんが、ジアミン以外の染料での白髪染めは可能です。
ジアミンアレルギー対応の白髪染めとは?
3つのタイプがあります。
- ヘアマニキュア(酸性染毛料)
- カラートリートメント(塩基性・HC染料)
- ヘナやインディゴ(100%植物染料)
現状ではこの3タイプで比較的安心して白髪染めができます。
h.SHIPでは100%植物性染料での白髪染めはやっていません。
- 色が選べない(色が無い)
- 時間が掛かる
- カラーチェンジが一切できない
- 臭いがかなり残る(好みが分かれる)
- 合う髪質が限定される
という理由からお勧めできません。
h.SHIPで使用しているジアミンアレルギー対応のヘアカラー剤は、
- 【ヘアマニキュア】
- 【カラートリートメント】
この2つはジアミンを一切含まないのでアレルギーの方でも比較的安心して使えます。
アルカリによる肌トラブルとは?
ヘアカラー剤に含まれる「アルカリ」に対しての肌トラブルもゼロではありません。
アルカリの場合は、元々のお肌が強い弱いなどの肌特性で差が出やすく、アレルギーとは違った症状になります。
アルカリに対しての症状とは?
- ピリピリ、ヒリヒリなどの施術中の刺激
- 軽度のかぶれやかゆみ
ほぼこの2つの症状です。
- 毎回刺激を感じる
- 感じる時と感じない時がある
- 刺激が施術中だけですぐに治る方
- 施術後2〜3日頭皮に違和感を感じる方
刺激の度合い、感じ方の違いは個人差ありますので表現するのが難しいのですが、ピリピリとした多少の刺激は塗りはじめて5〜10分くらいは感じる方が多いです。
何も感じないという方もいます。
カラー後2〜3日、頭皮が突っ張った感じがするという方、少し痒みが続くという方もいます。
アルカリの刺激への対策
- 白髪染め前日からシャンプーを控える
- 体調が悪い時を避ける
- 根元からしっかりとは染めない
- アルカリの弱いカラー剤を使う(若干ですが染まりと色持ちが悪い)
- 頭皮の保護オイル
多くの場合は、このような対策で刺激を無くしたり緩和することができます。
アルカリの弱いカラー剤はどうしても明るさと色持ちなどのデメリットが増えます。
(オイルカラーはこのデメリットもありません)
このような対策でも症状が改善されない場合は、アルカリ無配合での白髪染めをすることになります。
前述のヘアマニキュアかカラートリートメントを使います。
白髪染めでの肌トラブルへの対応手段
残念ながらジアミンアレルギーの場合は起きるか起きないか予測が出来ません。
- 髪を毎月染め続けて80代になった今も何のトラブルもない方もいます
- 人生初のヘアカラーでトラブルが出てしまう方もいます
- 今までは平気だったけど、ある時を境にトラブルが出てしまう方もいます
そのため肌トラブルへの対応手段としては、
- 肌トラブルが起きてから白髪染めの仕方を変える
- 肌トラブルを起こさないような白髪染めを選択する
という2つになります。
心配な方は後者の染め方となります。h.SHIPでは後者の白髪染めをしているお客様は1%未満です。
「どちらが良いの?」と聞かれると大変難しいです…
考え方としては、
仕上がりや色持ちを優先する場合は今までの白髪染めを続けていき、少しでもアレルギー反応が出ているようであれば今後は相談して染め方を変える。仕上がりや色持ちよりもアレルギーのリスクを回避したい方は染め方を変える。
このように考えてみてください。
100%肌トラブルのリスクがないヘアカラーというのは存在しません。
植物に対してもジアミン以外の化学染料に対してもアレルギーが出る可能性はあります。
何にアレルギー反応が起きるかはわかりません。
もしジアミンアレルギーが出ても白髪染めをあきらめる必要はありませんが、アレルギー対応のカラー剤だけを使えば良いというわけではありません。
色々と注意が必要となってきますので、ご自宅でのセルフカラーはお勧めしません。
今後、まだまだヘアカラーも進化していくとは思います。
h.SHIPでは、お客様のご希望、髪・頭皮の状態に合わせて対応できるように準備していますので、不安やトラブルなどがあればなんでもご相談ください。
最後に、年間365日のうち美容室で髪・頭皮のケア(チェック)ができる回数は限られています。
大切なのはご自宅での日々のケアです。基本的なことですが以下のことを意識してお過ごしください。
- 紫外線による頭皮の日焼けに気を付ける
- 毎日夜シャンプーして頭皮を清潔にして寝る
- シャンプー剤は髪ではなくお肌に合うものを
- シャンプーに掛けた倍の時間くらいしっかりすすぐ
(シャンプー1分/すすぎ2分) - シャンプー後は髪だけでなく頭皮も乾かす
また、週に1度はお風呂でゆっくり頭部のマッサージ(3分くらい)をしてあげるのもお勧めです。
健康的な頭皮環境の維持はヘアケアのベースとなります。